PH 実践② A-6-2. 薬物動態(ADME)

第108回実践② 薬剤師 問271

60 歳女性。29 歳より双極性障害と診断され精神科クリニックに定期的に 通院し、49 歳の時に 2 型糖尿病と高血圧症を指摘された。現在、以下の薬剤を服 用中である。 1 週間前から吐き気とふらつきが出現し、今朝から言葉が出にくくな り、意識がはっきりしなくなったため大学病院に救急搬送され、入院措置がとられ た。処方薬による副作用が疑われた。 (処方) 炭酸リチウム錠 200 mg 1 回 2 錠( 1 日 6 錠) 1 日 3 回 朝昼夕食後 14 日分 カルバマゼピン錠 200 mg 1 回 1 錠( 1 日2 錠) 1 日2 回 朝夕食後 14 日分 アムロジピン錠 5 mg 1 回 1 錠( 1 日 1 錠) シタグリプチンリン酸塩水和物錠 50 mg 1 回 1 錠( 1 日 1 錠) 1 日 1 回 朝食後 14 日分 フルニトラゼパム錠 1 mg 1 回 1 錠( 1 日 1 錠) 1 日 1 回 就寝前 14 日分 (入院時所見) 身長 153 cm、体重 66.3 kg、血圧 90/52 mmHg、脈拍 68 拍/分、 体温 37.2 ℃、Japan Coma Scale( JCS) 3、傾眠傾向 (入院時検査値) 末梢血: 白血球 9,800/nL、赤血球 332 # 104/nL、Hb 11.6 g/dL、 血小板 16.4 # 104/nL、静脈血 pH 7.39 血液生化学: 総タンパク 6.3 g/dL、血清アルブミン 3.5 g/dL、 総ビリルビン 0.5 mg/dL、AST 21 IU/L、ALT 23 IU/L、 c︲GTP 33 IU/L、CK(クレアチンキナーゼ)86 IU/L、 血清クレアチニン 1.20 mg/dL、eGFR 36.3 mL/min/1.73 m2、 随時血糖 161 mg/dL、HbA1c 7.4%、CRP 2.0 mg/dL 尿所見:pH 5.5、蛋白(1+)、潜血(2+)、糖(-)、ケトン体(-) 頭部 CT、MRI:異常なし 副作用発現の要因として考えられる薬物動態学的変動はどれか。1つ選べ。
1
薬物相互作用によるバイオアベイラビリティの上昇
2
薬物相互作用によるクリアランスの低下
3
血清アルブミン濃度の低下による分布容積の増大
4
肝機能低下による肝クリアランス低下
5
腎機能低下による腎クリアランス低下
✓ 正解
ANSWER   正解は 5 全国正答率 —

解説

  • 1.「薬物相互作用によるバイオアベイラビリティの上昇」リチウム中毒の主因ではない。
  • 2.「薬物相互作用によるクリアランスの低下」本症例の主たる動態学的要因ではない。
  • 3.「血清アルブミン濃度の低下による分布容積の増大」リチウムは血漿タンパク結合がほとんどなく、該当しない。
  • 4.「肝機能低下による肝クリアランス低下」リチウムは肝代謝されず腎排泄であり、該当しない。(※リチウムは腎排泄で、腎機能低下による腎クリアランス低下が要因)

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出典

厚生労働省 公開ページ