第107回実践② 薬剤師 問283
54 歳女性。体重 60 kg。腋窩リンパ節転移が著明な進行性乳がんと診断さ れ、トラスツズマブを含む化学療法を継続していた。最近の画像検査にて肝転移を 認めたため、以下の化学療法を施行することとなった。 薬品名 投与経路 投与時間 ①生理食塩液 50 mL 点滴静注 5 分 ② トラスツズマブ エムタンシン(注)3.6 mg/kg + 生理食 点滴静注 90 分 塩液 250 mL ③生理食塩液 50 mL 点滴静注 5 分 1 クールの日数:21 日 (注) トラスツズマブに抗がん薬 DM1 が結合した構造を有する薬剤で、白色の塊 である。 トラスツズマブ エムタンシン製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。
1
有効成分は、分子標的薬である核酸医薬と抗がん薬 DM1 が結合した核酸薬物 複合体である。
2
有効成分は、ヒト上皮増殖因子と抗がん薬 DM1 が結合したタンパク質薬物複 合体である。
3
有効成分は、点滴静注後、ヒト上皮増殖因子受容体 2 型(HER2)を標的とし て抗がん薬 DM1 を能動的にターゲティングする。
✓ 正解
4
有効成分が細胞内に取り込まれた後、リソソーム内で抗がん薬 DM1 を遊離す る。
✓ 正解
5
有効成分が細胞膜上の受容体に結合した後、遊離した抗がん薬 DM1 が細胞膜 に傷害を引き起こす。
選択肢をクリックして選んでください。
解説
- 1.✕「有効成分は、核酸医薬と抗がん薬 DM1 が結合した核酸薬物複合体である」抗体(トラスツズマブ)と DM1 が結合した抗体薬物複合体である。
- 2.✕「有効成分は、ヒト上皮増殖因子と DM1 が結合したタンパク質薬物複合体である」抗 HER2 抗体と DM1 の複合体で、上皮増殖因子ではない。
- 5.✕「受容体に結合した後、遊離した DM1 が細胞膜に傷害を引き起こす」細胞内に取り込まれ、遊離した DM1 が微小管を阻害するもので、細胞膜傷害ではない。(※HER2 を標的に DM1 を能動的にターゲティングし、細胞内取り込み後リソソーム内で DM1 を遊離する)
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