PH 実践② A-6-2. 薬物動態(ADME) 2つ選べ

第107回実践② 薬剤師 問273

65 歳男性。身長 160 cm、体重 58 kg。開胸心血管バイパス術施行後 4 日目 に 38.5 ℃の発熱を来し、喀痰、血液培養、尿、鼻汁を用いたグラム染色の結果、 陽性であった。細菌培養の結果が得られるまで 48 時間程度を要することから、院 内感染制御チームへのコンサルトの結果、MRSA 感染症を疑い、当日夜よりバン コマイシン点滴静注用の 14 日間投与が決定された。バンコマイシン投与前の検査 値を以下に示す。 (検査値) 白血球数 13,000/nL、CRP 7.5 mg/dL、血清クレアチニン値 1.2 mg/dL、 BUN 17.6 mg/dL、クレアチニンクリアランス(Ccr)50 mL/min バンコマイシンの投与量決定には母集団薬物動態解析により得られた以下のパラ メータを用いた。 CL(L/hr)= 0.05 # Cc(r mL/min)[Ccr が 85 mL/min 以下の場合] CL(L/hr)= 3.5[Ccr が 85 mL/min より大きい場合] Vd(L)= 60.7 バンコマイシンの治療効果及び副作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。 2つ選べ。
1
ペンタペプチド C 末端の D︲Ala︲D︲Ala に結合して、細胞壁合成を抑制する。
✓ 正解
2
細菌リボソーム 30S サブユニットに結合して、タンパク質合成を抑制する。
3
翻訳過程の 50S 開始複合体の形成を阻害して、タンパク質合成を抑制する。
4
ヒスタミンの遊離を促進して、レッドネック症候群を引き起こす。
✓ 正解
5
非ステロイド性抗炎症薬との併用により、痙れんを引き起こす。
ANSWER   正解は 1・4 全国正答率 —

解説

  • 2.「細菌リボソーム 30S サブユニットに結合してタンパク質合成を抑制する」アミノグリコシド等の機序である。
  • 3.「翻訳過程の 50S 開始複合体の形成を阻害する」オキサゾリジノン(リネゾリド)等の機序である。
  • 5.「非ステロイド性抗炎症薬との併用により痙れんを引き起こす」ニューキノロン系の相互作用である。(※バンコマイシンはペンタペプチド C 末端の D-Ala-D-Ala に結合して細胞壁合成を抑制し、ヒスタミン遊離によりレッドネック症候群を起こす)

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出典

厚生労働省 公開ページ