第107回実践① 薬剤師 問218
60 歳女性。右上葉原発性肺腺がんと診断され、右上葉切除術が施行され た。その後、術後補助化学療法が施行され経過観察となった。術後 4 年経過時、胸 部 CT 写真で右鎖骨上窩リンパ節に転移が認められ、再発と診断された。ALK 融 合遺伝子陽性が確認されたため、クリゾチニブ 250 mg、 1 日 2 回の投与による治 療が開始された。投与 13 日目時点でリンパ節の腫瘍は縮小傾向を認めた。各時点 における主な検査値は以下のとおりである。 肝機能検査値 投与前 8 日目 13 日目 AST(IU/L) 30 100 350 ALT(IU/L) 30 120 400 ALP(IU/L) 200 600 2,000 総ビリルビン(mg/dL) 1.0 1.1 1.3 医師との合同カンファレンスにおいて、医師から薬剤師へ投与 13 日目以降の薬 物治療について意見を求められた。薬剤師の提案として、適切なのはどれか。1つ 選べ。
1
本剤の投与を同一用量のまま継続し、他剤の追加は行わない。
2
本剤の投与を同一用量のまま継続し、グリチルリチン酸一アンモニウム・グリ シン・L︲システイン塩酸塩水和物を追加する。
3
本剤の投与を中止し、緩和ケアのみの治療へ変更する。
4
本剤の投与を休止し、アレクチニブ塩酸塩へ変更する。
✓ 正解
5
本剤の投与を休止し、ソラフェニブトシル酸塩へ変更する。
選択肢をクリックして選んでください。
解説
- 1.✕「本剤を同一用量のまま継続し、他剤の追加は行わない」肝障害(AST/ALT 上昇)が進行しており、継続は不適である。
- 2.✕「本剤を同一用量のまま継続し、肝庇護薬を追加する」原因薬を継続したままの対応は不適である。
- 3.✕「本剤を中止し、緩和ケアのみの治療へ変更する」治療可能な段階で緩和ケアのみとするのは不適である。
- 5.✕「本剤を休止し、ソラフェニブへ変更する」ソラフェニブは肝細胞がん等に用いる薬で、ALK 陽性肺がんには適さない。(※本剤を休止し、ALK 阻害薬のアレクチニブへ変更するのが適切)
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