PH 実践① A-3-2. 分子生物・遺伝の基礎 2つ選べ

第107回実践① 薬剤師 問219

60 歳女性。右上葉原発性肺腺がんと診断され、右上葉切除術が施行され た。その後、術後補助化学療法が施行され経過観察となった。術後 4 年経過時、胸 部 CT 写真で右鎖骨上窩リンパ節に転移が認められ、再発と診断された。ALK 融 合遺伝子陽性が確認されたため、クリゾチニブ 250 mg、 1 日 2 回の投与による治 療が開始された。投与 13 日目時点でリンパ節の腫瘍は縮小傾向を認めた。各時点 における主な検査値は以下のとおりである。 肝機能検査値 投与前 8 日目 13 日目 AST(IU/L) 30 100 350 ALT(IU/L) 30 120 400 ALP(IU/L) 200 600 2,000 総ビリルビン(mg/dL) 1.0 1.1 1.3 本症例では、遺伝子変異により生じた ALK 融合遺伝子及び ALK 融合タンパク 質が検出されている。がんとこの遺伝子変異に関する記述として、正しいのはどれ か。2つ選べ。
1
この患者のがん細胞では、染色体上、ALK 遺伝子の一部分に逆位が生じてい る。
✓ 正解
2
この患者の ALK 融合タンパク質では、チロシンキナーゼ活性が亢進している。
✓ 正解
3
この患者では、ALK 融合遺伝子が親から遺伝したと考えられる。
4
この患者の ALK 融合遺伝子は、フィラデルフィア染色体の形成により生じる。
5
ALK 融合遺伝子の検出には ELISA 法が用いられる。
ANSWER   正解は 1・2 全国正答率 —

解説

  • 3.「ALK 融合遺伝子が親から遺伝したと考えられる」体細胞の後天的な遺伝子異常で、遺伝性ではない。
  • 4.「ALK 融合遺伝子は、フィラデルフィア染色体の形成により生じる」フィラデルフィア染色体は慢性骨髄性白血病の BCR-ABL に関わる。
  • 5.「ALK 融合遺伝子の検出には ELISA 法が用いられる」FISH・免疫染色・RT-PCR 等で検出する。(※染色体上で ALK 遺伝子の一部に逆位が生じ、融合タンパク質のチロシンキナーゼ活性が亢進している)

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出典

厚生労働省 公開ページ