PH 実践② A-6-4. 相互作用・中毒の基礎

第108回実践② 薬剤師 問268

30 歳男性。身長 165 cm、体重 55 kg。急性骨髄性白血病のため 6 ヶ月前に 父親をドナーとして同種造血幹細胞移植を受け、術後 1 ヶ月で退院した。慢性移植 片対宿主病(GVHD)のコントロール目的に以下の薬剤を継続服用している。 (処方 1 ) プレドニゾロン錠 5 mg 朝 4 錠、昼 2 錠( 1 日 6 錠) 1 日 2 回 朝昼食後 7 日分 (処方 2 ) タクロリムスカプセル 1 mg 1 回 2 カプセル( 1 日 4 カプセル) 1 日 2 回 朝夕食後 7 日分 (処方 3 ) ボリコナゾール錠 50 mg 1 回 3 錠( 1 日 6 錠) 1 日 2 回 朝夕食後 2 時間 7 日分 処方された薬剤の使用に際し、考慮すべき薬物相互作用の発現機序として最も適 切なのはどれか。1つ選べ。
1
小腸 P︲糖タンパク質に対する競合阻害
2
CYP2C19 に対する競合阻害
3
ヘム鉄への配位結合による CYP3A4 の阻害
✓ 正解
4
核内受容体を介した CYP1A2 の誘導
5
核内受容体を介した CYP3A4 の誘導
ANSWER   正解は 3 全国正答率 —

解説

  • 1.「小腸 P」糖タンパク質に対する競合阻害」 — タクロリムス濃度上昇の主機序ではない。
  • 2.「CYP2C19 に対する競合阻害」ボリコナゾールは CYP2C19 の基質でもあるが、タクロリムス濃度上昇の主機序は CYP3A4 阻害である。
  • 4.「核内受容体を介した CYP1A2 の誘導」アゾール系は酵素誘導ではなく阻害に働く。
  • 5.「核内受容体を介した CYP3A4 の誘導」ボリコナゾールは CYP3A4 を阻害するもので、誘導ではない。(※アゾール系がヘム鉄に配位結合して CYP3A4 を阻害する)

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出典

厚生労働省 公開ページ