第108回実践③ 薬剤師 問341
37 歳女性。以前より右乳房のしこりが気になっていたが、今回職場の検診で改 めて指摘され来院した。来院時の身体所見及び検査所見は以下のとおりである。 (身体所見及び検査所見) 身長 165 cm、体重 56 kg、体表面積 1.61 m2。乳頭からの分泌物は無く、月経 周期や全血球計算並びに各種生化学検査値に異常なし。マンモグラフィで放射 状陰影や不整形腫瘤を認め、穿刺吸引細胞診にて浸潤がん細胞を確認した。ま た、病理組織検査の結果、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陰 性及び HER2 陰性と判定された。 以上の検査結果から、乳房温存摘除術を施行後、化学療法を組合せた内分泌療法 を施行することとなった。 (処方) タモキシフェン錠 20 mg 1 回 1 錠( 1 日 1 錠) 1 日 1 回 朝食後 28 日分 (化学療法レジメン) 薬剤 Day 1 Day 2 Day 3 1 アプレピタントカプセル 125 mg 内服 80 mg 内服 80 mg 内服 パロノセトロン塩酸塩注射液 15 分かけて (0.75 mg/50 mL) 静脈内投与 2 ― ― デキサメタゾンリン酸エステル ナトリウム注射液(6.6 mg) エピルビシン塩酸塩注射用 15 分かけて 3 ― ― 100 mg/m2、生理食塩液 50 mL 静脈内投与 シクロホスファミド水和物注射 60 分かけて 4 用 500 mg/m2 + ブドウ糖注射液 静脈内投与 ― ― 5 % 250 mL フルオロウラシル 500 mg/m2 + 5 分かけて 5 ― ― 生理食塩液 50 mL 静脈内投与 デキサメタゾンリン酸エステル 15 分かけて 6 ナトリウム注射液 6.6 mg + 静脈内投与 ― ― 生理食塩液 50 mL 3 週毎に投与 この患者に対する薬物療法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1
不正出血などの症状を認めた際には直ちに医師や薬剤師に相談するよう患者に 指導する。
✓ 正解
2
遅発性嘔吐を予防するため、パロノセトロン塩酸塩注射液をプレガバリン口腔 内崩壊錠に変更する。
3
心筋障害を予防するため、注射用エピルビシン塩酸塩注射用投与 24 時間以上 前にフィルグラスチム(遺伝子組換え)注射液を投与する。
4
出血性膀胱炎を予防するため、シクロホスファミド水和物注射用投与の当日に メスナを投与する。
✓ 正解
5
フルオロウラシル注射液による汎血球減少症を予防するため、アズレンスルホ ン酸ナトリウム水和物・L︲グルタミン顆粒を投与する。
選択肢をクリックして選んでください。
解説
- 2.✕「遅発性嘔吐を予防するため、パロノセトロンをプレガバリンに変更する」プレガバリンは制吐薬ではなく、変更は不適である。
- 3.✕「心筋障害を予防するため、エピルビシン投与 24 時間以上前にフィルグラスチムを投与する」フィルグラスチムは好中球減少対策で、心筋保護作用はない。
- 5.✕「フルオロウラシルによる汎血球減少症を予防するため、アズレン・L」グルタミン顆粒を投与する」 — アズレン・グルタミンは粘膜保護(口内炎対策)で、汎血球減少の予防ではない。(※不正出血等を直ちに相談すること、シクロホスファミド投与当日にメスナを投与して出血性膀胱炎を予防することが正しい)
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