PH 実践② A-6-1. 受容体・作用機序

第107回実践② 薬剤師 問263

48 歳女性。月経あり。乳がん(ER 及び PgR 陽性、HER2 陰性)と診断さ れ左乳房部分切除及び腋窩リンパ節郭清術を受けた。術後化学療法として、シクロ ホスファミド 600 mg/m2、エピルビシン 100 mg/m2 を 3 週毎に 4 サイクルを終了 し、パクリタキセル 80 mg/m2 を 3 週投与、 1 週休薬の 4 サイクルを開始してい る。卵巣機能は回復しており、術後化学療法終了後にタモキシフェンによる治療を 検討中であるが、本患者においてはタモキシフェンと他剤との併用療法も選択可能 である。担当薬剤師は 3 次資料を用いて、タモキシフェン単独療法と他剤との併用 療法の有用性を調査することにした。 調べた結果、術後化学療法後に卵巣機能が回復している場合、タモキシフェンに 薬物Aを併用することが推奨されていた。なお、薬物Aは、この患者で術後化学療 法として用いられた薬物とは作用機序が異なるものであった。薬物Aの作用機序と して、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
1
微小管タンパク質の脱重合を阻害して、細胞分裂を抑制する。
2
DNA の塩基対にインターカレーションして、DNA 依存性 RNA ポリメラーゼ を阻害する。
3
エストロゲン受容体に結合して、内因性のエストロゲンと競合し抗腫瘍作用を 発揮する。
4
DNA をアルキル化して、DNA 合成を阻害する。
5
持続的な性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)受容体の刺激により脱感作 を引き起して、ゴナドトロピンの遊離を抑制する。
✓ 正解
ANSWER   正解は 5 全国正答率 —

解説

  • 1.「微小管タンパク質の脱重合を阻害して細胞分裂を抑制する」タキサン系の機序である。
  • 2.「DNA にインターカレーションして DNA 依存性 RNA ポリメラーゼを阻害する」アントラサイクリン系の機序である。
  • 3.「エストロゲン受容体に結合して内因性エストロゲンと競合する」タモキシフェン自体の機序である。
  • 4.「DNA をアルキル化して DNA 合成を阻害する」アルキル化薬の機序である。(※薬物Aは GnRH 受容体の持続刺激による脱感作でゴナドトロピンの遊離を抑制する)

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出典

厚生労働省 公開ページ