PH 実践② A-6-2. 薬物動態(ADME) 2つ選べ

第109回実践② 薬剤師 問268

43 歳男性。既婚で妻と二人暮らし。糖尿病治療のため、インスリンの自己 注射を行っている。インスリン療法開始から 1 年程度経過し、血糖値は正常値に近 づいてきた。しかし、食事をとらずに注射したときや入浴中の低血糖症状による意 識障害により、救急搬送を何度か経験しており、グルカゴン注射液を家族が投与で きるよう 3 ケ月前に処方(処方 1 )された。しかし、その後重症低血糖による意識 障害を起こしている本人を前にして、妻が注射液の調製を失敗してしまい、救急車 を待つことしかできなかった。そこで、今後の低血糖対策として、グルカゴン点鼻 粉末剤(処方 2 )を使用できるよう、妻同席のもと医師による説明が実施され、薬 剤部には薬剤の使用方法等について説明の依頼があった。 (処方 1 ) グルカゴン(遺伝子組換え)注射用 1 mg 1 回 1 本 (溶解用注射用水 1 mL 添付してください) 低血糖時 注射用水で溶解後に筋注 1 回分 (処方 2 ) グルカゴン点鼻粉末剤 3 mg 1 回 1 個 低血糖時 鼻腔内に噴霧 1 回分 下図は処方 1 と処方 2 の薬剤投与時の、血漿中グルカゴン濃度(A)と血中グル コース濃度(B)の時間推移をそれぞれ示したものである。次の記述のうち、正し いのはどれか。2つ選べ。 A 14000 12000 10000 8000 6000 4000 2000 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 時間(h) )Lm/gp(度濃ンゴカルグ中漿血 処方1 処方2 0 2.5 3.0 3.5 4.0 B 250 200 150 100 50 0 10 20 30 40 時間(min) )Ld/gm(度濃スーコルグ中血 処方1 処方2 0 50 60 70 80 90 図 各薬剤投与後の血漿中グルカゴン濃度(A)と血中グルコース濃度(B) の時間推移
1
処方 1 で投与した場合のグルカゴンの最高血漿中濃度到達時間は 30 分である。
2
処方 1 で投与した場合の投与後 60 分までの血中グルコース濃度の上昇推移 は、処方 2 で投与した場合とほぼ等しい。
✓ 正解
3
処方 2 で投与した場合、グルカゴンは鼻粘膜より直接体循環に移行し、肝臓で の初回通過効果を回避することができる。
✓ 正解
4
処方 2 で投与する場合に処方 1 の場合と同等の血中グルコース濃度上昇作用を 得るためには、同用量のグルカゴンが必要である。
5
処方 2 で投与した場合、投与後 30 分までの血中グルコース濃度は約 70 mg/dL であり、最大血中グルコース濃度は 140 mg/dL を超える値まで上昇する。
ANSWER   正解は 2・3 全国正答率 —

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厚生労働省 公開ページ