第114回医師B問40
75歳の男性。S状結腸癌のため全身麻酔で腹腔鏡下S状結腸切除術を行うため 手術台に移動した。身長164cm、体重58kg。静脈路を確保後、酸素マスクで酸素 化し、急速導入で麻酔導入を行い気管挿管した。麻酔回路に接続し、酸素流量 6L/分で呼吸バッグで手動換気した。上腹部聴診では空気の流入音はなく、右肺 の呼吸音は聴取できたが、左肺の呼吸音は確認できず、左胸郭の上がりは不良だっ た。胸部打診では左右差がなかった。気管チューブの目盛りは門歯の位置で28 cm。カプノグラフの波形は出現しており、SpO は89%を示していた。 低酸素血症の原因として最も可能性が高いのはどれか。 次の文を読み、41、42の問いに答えよ。 80歳の女性。失神のため救急車で搬入された。 現病歴 : 1か月前から咳が出現し、6m歩行しても息切れするようになった。 発熱や喀痰、胸痛はなく、体重が1か月で4kg増加した。本日、自宅の居間で倒 れているのを家族が発見し、救急車を要請した。救急隊到着時には意識はすでに回 復し清明であった。 既往歴 : 高血圧症および不眠症があり、降圧薬と睡眠薬を内服中である。 アレルギー歴 : 特記すべきことはない。 生活歴 : 喫煙歴と飲酒歴はない。認知機能は正常で介護保険サービスは利用して いない。夫とは9年前に死別し、現在は息子夫婦および孫4人と同居している。 家族歴 : 突然死や心疾患はなく、姉は70歳時に乳癌で死亡した。
1
気胸
2
片肺挿管
✓ 正解
3
食道挿管
4
気管支けいれん
5
気管チューブ閉塞
選択肢をクリックして選んでください。
解説
- 1.✕「気胸」気胸では打診で患側の鼓音が見られるが、本症例では左右差なしのため否定的。
- 3.✕「食道挿管」食道挿管ではカプノグラフ波形が出現しないが、本症例では波形あり。
- 4.✕「気管支けいれん」両側性の喘鳴を来すが、一側性の無換気所見・胸郭不良は片肺挿管が最も合致する。
- 5.✕「気管チューブ閉塞」完全閉塞では両肺の換気不全・カプノグラフ消失が生じる。